ここではない何処かへ

ここはとても愛おしい


優しい人も

気の合う友も

沢山いる


けど旅立ちの時が来た


いつも思うんだ

やっぱり私の居場所はここじゃないんじゃないか

どんなに愛おしくても

こんなに離れ難くても


人も自分も変わっていく

過ぎ去る人を見送るのは耐え難いから

私からここを去ろう


愛おしいものを置いていくんだ

こうやって思い出も何もかも

時計の針を止めて凍らせてしまうんだ


変わらないものなんてないのは分かっている

けどいつか見つけたい

永遠が愛される場所を

ゆっくり深く呼吸できる場所を



そう思って

私が離そうとした手を力強く握ってくれる人がいた時に

人は初めて気付くんだ


私の居場所はここだったのかもって

大切なのは信じる事だ

自分の今居るべき場所はここだって


離れがたい時を経て

右手に残る感触を隠したくて

私は鞄に手をかける


戻る過去も戻れる過去ももうないのだから

振り返らない

そう決めたから

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