夏を偲んで




赤いオレンジ色の空に

水色の空がゆっくり染まる

蝉の鳴き声が遠く感じる

黄昏時がゆっくり夏の終わりを告げる



なぜ夏だけこんなに物悲しいのだろう

去りゆく人もいないのに

変わりゆく事も何もないのに


空の群青が赤そっと蝕んでゆく

リーン…と風鈴の音が静かに響いて

そっと遠くに運ばれていく

切ないという言葉は夏の夕日を見て作ったんだ…

そう告げられたような



離れがたくて

遠くの暗闇に手を伸ばすと

夏の指が私の指先を伝って落ちていった

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